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このところずっと気分が晴れない、なんとなく調子が悪いみたいな感じだ。

前にも似たようなことを書いたけど、この世界には救いはないのだということを

経験として理解してから、比喩的な言い方だが、自分の見ているものが灰色に

見えるようになった。良いことがまったくないわけではない。ガスヴァンサントの

新作はよかったとか、難解なギルエヴァンスの音楽がピンとくるようになったとか、

主に文化的なことにかんしては、いいこともある。でもそういうことがあっても

あまり満たされるような感覚にはならない。

わたしにとってはこの現実世界は、がんばって、歯を食いしばってまで

生きていく価値があるものではなかった。それはわたしにとってということであり、

例えば家庭環境が健全な人、スペックと言われるものが高い人、理解あるパートナーや

友人がいる人、そのような人とわたしでは、この世界の見え方がだいぶ違うものに

なっているのだろうと思う。人間は自分の関心のあることしか見えない、そのように

できている。

 

ネットでは相変わらず、政治的な正しさとか、ものわかりの良い発言が流れてくる。

でもわたしは知っている、経験している、そういうことを言う人の多くが、

言葉と行動、振る舞いが一致していない人であるということを。

あるいはほんとに人のための行為が出来るのか、それとも自分のナルシシズムのような

ものが行動の原理になっているのではないか、ということ。

障害者雇用の人たちを見ていると、あまり笑わない人がけっこういる。

街を歩いていると不機嫌そうな老人とか中年男性もよく見る。

日本映画がつまらないとか、アイドル文化とか、今の世の中は狂っているのではないか

と思えるようなことがいろいろある。

こういう世の中で生きていたくないし、もうあまり人とかかわりたくない。